1000形
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 1977年の神戸市営地下鉄第1期線開業に合わせてその前年より製造が開始された、西神・山手線における初代車両である。全車両とも地元兵庫県の川崎重工で製造されている。車体は全長19m級のアルミ合金製で、片側3扉となっている。前面は正面に貫通扉を配置した左右対称の形状で、前面窓より上部分がやや傾斜した、くの字状のデザインとなっている。前面窓は天井近くまで伸びた大型のもので、屋根形状に合わせ丸みを帯びている点が特徴である。前照灯及びは丸型のものが縦型に配置されている。塗装はかつて東洋一とうたわれた神戸市電の塗装を引き継いだ濃淡グリーンのツートンカラーであり、車番表記も神戸市電独自の字体をそのまま引き継いでいる。制御方式は営団7000系に次いでAVFチョッパ制御方式が採用されており、回生ブレーキや抑速ブレーキも備えている。また当初よりATOを搭載している点も特徴で、札幌市営東西線に次いで本格的な自動運転に対応している。ゴムタイヤ式でない鉄輪式の地下鉄では試験的な採用は過去にもあったものの、本格導入という点では同車が日本初の全面採用例となった。車内はオールロングシートで、地上区間の走行もあることから日よけとして鎧戸が付けられている。本系列は同時期に製造された名古屋市営3000形と同じく、新造当時より冷房装置を搭載しており、これは地下鉄の営業用車両としては初の事項となっており、サービス向上に寄与している。1000形は第1期線の開業時点では4連6本の陣容であったが、その後輸送力増強や新線開業により、改良を加えながら増備が進められた結果、1990年までに6連18本という陣容になった(1989年以降に6連化のために新造された車両は2000形登場後の新造のため、内装は2000形に準じている)。これは1000形の後に製造される2000形や3000形よりも遥かに多い両数であり、長きに渡り神戸市営地下鉄を代表する車両となった。なお、登場当時においては最新鋭の性能・サービスを有している点が評価され、1978年に鉄道友の会のローレル賞を受賞している。1997年からは車両の更新工事が開始され、施工車両は3000形と同じく主電動機を交流誘導電動機に換装、制御装置はGTO-VVVFインバーター制御装置に改められた。表記上の違いはないが、この施工がされた車両は1000-01形と形式分けされた。更に2004年からは制御装置をIGBT-VVVFインバーター制御装置に換装した編成も現れ、そちらは1000-02形と形式分けされた。この更新工事は2012年までに全編成に施工されており、この換装を経つつ初期車の製造から40年に渡り主力車両として活躍してきた。なお、新型車両6000形の導入により2018年以降は順次運用を離れていくこととなった。最後まで残った編成も2023年8月のダイヤ改正で運用を離脱し、これを以て長きにわたる1000形の歴史に終止符が打たれた。現在もトップナンバーの1101号車が名谷車両基地の敷地内で静態保存されている。

 2018,09,24 西神南


■Variation
 1981年以降に製造された2次車は製造当初より側面に方向幕を有する。なお、1次車は1993年の快速運転開始を前に側面方向幕が取り付けられている。

 2015,11,22 西神南
 学園都市〜西神中央間の延伸開業を控え、1987年に営業運転を開始した3次車。冷房装置の形状が異なる他、送風装置としてラインフローファンが設けられている。また側扉にはステンレスの帯が付けられず、前面下部には張り出しが設けられている。なお、1989年から翌年にかけて編成の6両化に合わせた中間車の新造が行われているが、既存車との統一を図るため側扉にはステンレスの帯が付けられている。また、このグループについては更新工事と前後し補助電源装置がSIVに換装されている。

 2018,09,24 西神南
2024/03/08