8000形
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 1981年の開業に合わせて製造されたポートライナーの初代車両であり、営業用車両としては日本で初めての新交通システム車両であると同時に、ATOによる無人運転を世界で初めて実用化したのもこの車両である。川崎重工独自の「KCV」という機構を採用しており、案内輪が車両の両側に就いているのが特徴である(案内輪が中央にある山万・桃花台新交通を除き、他の新交通システムでは案内輪は車両の片側にしかない)。ゴムタイヤを使用しているが、パンクによる走行不能を防止するためウレタンタイヤが採用されている。制御方式は回生制動併用の可逆式サイリスタレオナード制御であり、この制御方式は後に開業する新交通システム車両の制御方式として多く採用されていくこととなる。車内はオールロングシートで、網棚等は設けられていない。8000形は6連12本の72両が製造され、当初はポートピア81の観客輸送等に貢献し、ポートアイランドの主要交通機関として定着した。新交通システムとしては日本で最も古い車両であったが、同時期に製造されたニュートラム100系が1993年までに置き換えられているのに対し、こちらはアルミ製で製造されたため塩害による腐食の影響をあまり受けることなく、21世紀に至るまで全車両現役で使用された事は特筆できよう。2006年の神戸空港延伸に際しては、同時期に製造された2000形に合わせて車椅子スペースや車内案内表示器の設置等がなされアコモデーションが向上したが、2008年以降その2000形によって置き換えられることが決まり、以降急速に置き換えられて2009年11月を以て営業運転を終了した。前述のとおり日本初の新交通システム車両でもあることから、現在は2両が中埠頭車両基地に静態保存されている。

 2009,03,18 市民広場