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7000系は1988年3月の北神急行電鉄開業にあわせ、その前年より製造が開始された通勤型車両である。新神戸から谷上まで、六甲山直下を貫く路線を有する北神急行電鉄は神戸市営地下鉄と直通運転を行うことから、同時期に製造された神戸市営2000形に準じた19m3扉のアルミ合金製車体が採用されている。正面から見て左側に貫通扉を寄せた前面スタイルも同車に準じているが、こちらはくの字状の折れ曲がりがなく、また前照灯の形状も異なるものとなっている。塗装はアイボリーと明るい茶色の2色となっており、この点も神戸市営地下鉄の車両とは異なるものである。制御方式にはGTO-VVVFインバーター制御方式が採用されたが、この当時は神戸市営地下鉄で同制御方式を採用している車両はなく、1993年製の3000形製造までは唯一のVVVFインバーター制御車となった。北神急行電鉄は阪急系列の会社であるため、オールロングシートの車内は阪急車と同じように木目調の化粧板やオリーブ色のモケット、アルミ製の鎧戸が導入されている。ただし優先席のモケットのみオレンジ色となっており、この点は阪急車には見られない特徴となっている。開業までに5本が用意された7000系は当初3M2Tの5両編成を組んでいたが、翌年より中間付随車7550形が追加製造され、1990年までに6連5本、30両の陣容となった(尚、この時増備された7550形は2002年以降女性専用車両に指定されている)。以降は現在に至るまで更新を含めてほとんど変化はなく、神戸市営地下鉄の緑色の車両が多い中、目立つ存在となっている。因みに北神急行の車庫は谷上にあり、そこを拠点とする北神急行の車両は運用が他車とは分けられているが、必ずしも自社線内の運用に入るわけではなく、新神戸で折り返す運用も存在する。なお、2015年より制御機器の換装が行われており、施行車は7000-A系と区別された(車番表記の変更はなし)。2018年までに全編成で機器更新が終了している。北神急行電鉄線は2020年6月に市営化(運営会社は翌年3月に消滅)されており、本系列も2020年6月以降は神戸市交通局に所属することとなった。神戸市交通局への移管後も引き続き同じ姿で活躍を続けていたが、機器更新されているが車体は30年以上経過していることもあり、本形式についても6000形に置き換えられることとなった。2023年8月に1000形と共に運用を立つし、以降の西神・山手線は6000形の独擅場となった。なお、カットモデルが名谷車両基地に保存されている。
2014,09,15 西神中央 |