200形
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 1998年の路線開業時より使用されている車両である。スカイレールはJR瀬野駅と山上に開発された住宅街「みどり坂」を最短距離で結ぶべく開発された鉄道であるが、路線の傾斜が最大270‰と非常に急である点が特徴となっている。通常の普通鉄道やモノレール、新交通システムでは登坂できない傾斜のため、懸垂式モノレールをベースにしつつ、駅間は軌道上を一定速度で循環するロープによって駆動がなされるという、モノレールとロープウェイを合わせたような全く新しい鉄道車両が三菱重工業と神戸製鋼所の手によって開発された。前述の通り駅間はロープを用いて走行するものの、駅部においてはロープではなくリニアモーターを用いて加減速を行っている。また台車を桁によって支持することで、ロープウェイでは実現できない曲線の走行も可能となる他横風にも強い構造となっている。駆動装置をロープとリニアモーターのみとし、車両には駆動装置を搭載しないことで、車両自体は通常のロープウェイサイズに抑えることができ、更に無人運転を行うことでランニングコストや保守面での簡素化も図られている。また軌道の端部はループ状となっており、常に一方向を向く形となっている。これにより正面衝突等の防止が図られているが、その為車両の側扉は片側にしか設けられていない。駅部も含め、常にロープによって加減速・走行が行われるロープウェイやケーブルカーと異なり駅部分は脱索するスカイレールでは、各々の車両が独自に駅への停止及び発進を行うことができ、その為に臨機応変な車両運用が可能となっている。この特性により、最短で80秒に1本という高頻度運転を行うこともでき、ラッシュ時の通勤輸送の他、日によって変わる学生の下校時等の突発的な増発も行うことができる。車両自体の定員は25人と少ないものの、前述の高頻度運転を行うことで、最大で一方向に1100人/時という人数を移動させることができる。尚、かつてみどり坂内に小学校がなかった時期には、朝ラッシュ時に小学生専用車両と一般通勤客車両を等間隔運転させるということも行っていた。200形と称されるスカイレールの車両は6両が製造されており、新技術を採用した今までにない交通システムであるという事が評価されて1999年にローレル賞を受賞している。現在もみどり坂へのアクセス手段として日々活躍しているが、設備更新に多額の費用が掛かることもあり、2024年4月末を以て路線廃止となり、電気バスに代替されることになった。

 2013,03,12 みどり口〜みどり中街


■Variation
 後部側を望む。スカイレールは両終端駅でループすることで常に一方向を向くので、片側には側扉が設けられていない。また、前部には走行区間を示すステッカーが貼られているが後部にはその貼り付けがない。

 2013,03,12 みどり口〜みどり中街
 ラッピングが施された200形。200形のうち、1両のみにみどり坂ニュータウンのラッピングが施されており、他車よりもカラフルな外装になっている。

 2013,03,12 みどり口
2024/03/08