7861・7961形
トップページ鉄道写真図鑑阪神電鉄>7861・7961形
 1966年登場。急行型の増結用車両を確保する目的で、当時製造されていた7801形をベースに製造された車両である。発電ブレーキを省略し、内外装ともにコストダウンを図り、実用最重視としたことから「経済車」と評された7801形のコンセプトはそのままに、こちらは増結に使用できるように2両編成となっている。ただし1968年に製造された車両はそれまでの車両の改善点を踏まえて雨樋の埋め込みや車内蛍光灯カバーの設置等の車両設計が変更されている。2連8本の16両が製造され、急行運用の増結だけでなく西大阪線や武庫川線等の支線区でも使用された。特に西大阪線では一時期三宮直通特急にも充当されており、特筆できる運用に就いている。製造当時は非冷房だったものの、非冷房で落成した車両としては最も早い1971年から冷房化が開始されており、旅客サービスの向上が図られている。7861・7961形は優等列車の増結用途の他に前述のような単独での特急運用や同形式2連を3本つなげての優等運用等、基本運用から増結運用に至るまで幅広く使用され、一時期は阪神本線・西大阪線・武庫川線というすべての線区で見ることができた。その後は後継車に押されて阪神本線の運用には殆ど就かなくなり、西大阪線・武庫川線に主な活躍場所を移したが、製造から30年以上経った2000年には3編成に対して武庫川線向けにワンマン化改造及び内装のリニューアルが行われており、該当車の車内には車椅子スペースも設けられた。2008年からは本線及び西大阪線における運用が完全になくなっており、それに伴い廃車も進んだことから現存はこのリニューアルが施された3編成のみとなった。専ら武庫川線にて使用されているが、最も編成数が多いことからこちらでは主力車両として活躍している。リニューアルが施されてはいるが製造から半世紀を超えており、2020年7月に5500系に置き換えられて全車廃車された。本系列の廃車で阪神車両から片開きの車両は消滅した。

 2009,03,18 東鳴尾


■Variation
 1966年に製造された初期車は雨樋が露出しており後期車とは印象が異なる。当初は7801形の車両設計に準じて蛍光灯カバーや一部座席の省略などの簡略化されていた内装は後に後期車にあわせて改善されているが、このグループはワンマン化改造はなされず、西大阪線の運用を撤退した2008年までに全車廃車されている。

 2004,03,25 西九条★
2020/08/16