5550系
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 2010年登場。最後まで方向幕を装備せず老朽化も進んでいた5311形の置き換えを目的に導入された車両で、1995年に登場した5000系以来となる新形式の普通列車用「青胴車」である。5500系のマイナーチェンジ車両としての位置づけが強く、車体は普通鋼製で外観は塗装も含めて5500系とほぼ同型となっている。ただし側扉の幅がやや狭められている等の変更点もある他、種別・行き先表示器にフルカラーLED、集電装置にシングルアームパンタグラフが採用されている点は5500系との外観上の差となっている。車体とは異なり、台車、電装品等の走行機器類は、同時期に製造されていた1000系に準じたものとなっており、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となっている。主電動機出力は5500系と比べて凡そ1.5倍となっていることもあり、「青胴車」としては初めてモーターのない制御車が連結されており、3M1Tの編成となった。車内はバケットタイプのオールロングシートで、基本的なレイアウトやカラースキームは5500系に準じているが、こちらは1000系にあわせて製造当初よりドア開閉予告灯や盲動鈴を備えており、車内案内表示器はマップ式が省略され、LED式の表示器のみとなった。また車いすスペースが全車両に備え付けられているが、蛍光灯カバーが省略されている。5550系は2010年12月より営業運転を開始した。なお、5500系の製造元である武庫川車両工業は既に解散していたため、本系列はアルナ車両で車体を制作のうえ、阪神車両メンテナンスが艤装を行っている。前述の目的により製造された車両であり、以降の「青胴車」の新造・置き換えはフルモデルチェンジ車両である5700系が担うことになったため、本系列は4両のみの陣容にとどまっている。運用は限定されておらず、他の車両に交じり、普通列車運用の一翼を担っている。

 2019,11,22 芦 屋


2020/01/04