5500系
トップページ鉄道写真図鑑阪神電鉄>5500系
 1995年登場。5261・5311形など1960年代に製造された普通電車用車両「ジェットカー」の置き換え用に製造された普通電車用の車両である。元々先述の旧型車両の置き換えを目的に計画されていた車両ではあったが、初期の車両は阪神・淡路大震災による車両不足を補うため、急遽前倒しして製造されたという経緯をもつ。車体及び車内は8000系の後期車両に準じており、従来と同じく普通鋼製(一部ステンレス鋼も採用)であるが、塗装は従来のものをベースとしながらも、「アレグロブルー」と呼ばれる明るい青色を基調とした新色となり、従来のジェットカーとのイメージチェンジが図られている。9300系や5550系等、以後新製及び改造された車両はこの塗装パターンがベースとなっており、その礎を築いたと言う事もできる。車内はバケットタイプのロングシートとなっており、車内案内表示器やドアチャイム、車椅子スペース等の採用もあってサービス面ではそれまでのジェットカーに比べて格段に向上している。一方新機軸も多く採用されており、ドアブザーやボルスタレス台車、更にTDカルダン駆動方式などがこれにあたる。制御方式は阪神で初めてGTO-VVVFインバーター制御方式が採用されたが、「ジェットカー」の特徴である高加減速を重視するために全電動車となっている点が特徴となっている。5500系は現在までに4連9本の36両が製造されており、ジェットカーでは最も車両数の多い形式に成長した。阪神本線の普通電車では主力車両の一翼となっており、近年では旧西大阪線の運用からは撤退したものの、代わりに阪神線のみならず山陽電鉄の東須磨にも顔を出すようになっている(ただし現在は乗り入れていない)。なお、武庫川線に在籍する既存車両の置き換えを目的に、5500系を種車とした武庫川線専用車両が2020年に投入されることになっている。

 2008,03,13 大 物


■Variation
 2017年になり、リニューアル工事の開始された5500系。施行車は塗装が大幅に変更されている他、行き先表示器のフルカラーLED化、前照灯のLED化、側扉への半自動開閉ボタン設置、車内への液晶表示器の設置など、内外装ともに5700系にあわせた大掛かりな改造がなされた。なお、制御装置は従来のままであり、試運転時には未リニューアル車との混結も見ることができた。

 2018,01,01 大 物
 武庫川線に転用された5500系。武庫川線で運用されていた旧型車両の置き換えを目的に、本系列のうち4連2本を種車として改造工事が施された。4連であった編成は2連に短縮され、ワンマン運転への対応と内外装のリニューアルがなされている。新設された運転台側は形式が5600形から5900形に改められている。行き先表示はフルカラーLEDとなり、側扉には半自動扉開閉用の押しボタンが設置された他、車内も車内案内表示器の換装やフリースペースの増設がなされている。外装は本線系統とは異なり、沿線近くに甲子園球場と鳴尾浜球場があることから全編成とも内外装について「阪神タイガース」を全面に押し出したデザインに改められた。この5513Fは「阪神タイガース号」として外装を球団カラーの黄色と黒としており、球団ロゴも描かれている。内装はチームユニフォームをイメージしたグレー系のものになっている。これら武庫川線用の編成は2020年6月から同線で運用を開始している。

 2024,02,26 東鳴尾
 5912Fは「トラッキー号」となり、白とピンクを基調とした外装にトラッキーなどマスコットのイラストが描かれている。内装はピンク系のモケットと床に描かれた足跡模様が特徴となっている。なお、先頭車化改造された5900形も既存車と同様の前面となっているが、こちらは貫通扉の窓が大きくなっている点が特徴である。こちらは編成間の行き来も可能であり、5900形同士を連結すれば従来どおり2編成組んだ4連での運用も可能である。このため実際に本線系統でも期間限定ながら営業運転を行っている。

 2024,02,26 東鳴尾
2020/02/24