201・202形
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 1986年登場。それまで阪神電鉄で用いられていた釣り掛け駆動方式の旧性能事業用車を置き換える目的で、武庫川車両工業にて製造された電動貨車である。201形・202形各1両が製造された。1両の車長は17.8mで、片側(201形の梅田側・202形の神戸側)は乗務員室と作業員室を兼ねた有蓋室を備えており、その上部に下枠交差型パンタグラフを備える。残る部分の大半が無蓋の荷台となっているが、反対側の先頭部にも運転台のみ備えられており、その部分だけ有蓋構造となっている。正面から見ると右側3分の1程に細長い小屋が設置されているような体で、非常に特異な外観となっている。運転台のみ設置されている側の前頭部は基本的に尼崎車庫における入れ替え等で用いるものだが、前照灯は反対側の前面同様にシールドビーム2灯配置となっている他、尾灯も台枠上に取り付けられている。荷台部分はフラットな構造となっており、202形にのみ電動のホイストクレーンを2基搭載する。いずれの車両も作業灯を備える他、資材輸送等で走行中の落下を防ぐため、側板(車体と同じ色に塗装されている)をはめ込むことも可能で、そのための留め具が複数個所に設置されている。当初は廃車が進んでいた3301形の発生品が流用されており、高性能車ではあったが種車の都合上直角カルダン駆動方式となった。また、外装も赤茶色一色であった。その後直角カルダン駆動車が淘汰されたこともあり、1990年には3521形の発生品を用いて機器換装がなされ、中空軸平行カルダン駆動方式となった。また併せて現行塗装であるウルトラマリンブルー一色に塗り替えられた。資材輸送からレール輸送に至るまで、阪神における工事列車を一手に担う存在だが、基本的には尼崎駅に常駐しており、本線を走行するのは基本的に深夜帯となる。

 2018,01,01 尼 崎


2018/12/03