1000系
トップページ鉄道写真図鑑阪神電鉄>1000系
 2006年登場。近い将来に計画されていた西九条〜難波間の延伸開業及び近鉄奈良線との直通運転を控え、直通運転への対応を前提とした車両として製造された、現在の阪神電鉄では最も新しい車両である。従来、阪神では9000系等一部を除いて自社系列の武庫川車両工業で製造されていたが、同社が鉄道製造から撤退したことから、1000系は全車とも近畿車輌で製造されている。また、車体は9000系以来となる軽量ステンレス車体が採用されたことで、軽量化及び塗装軽減によるメンテナンス性の向上が図られた。カラーリングは優等用車両の伝統からオレンジ系統前面やドア付近にオレンジ色を用いているが、「ビバーチェオレンジ」と呼ばれる新色になった他、それ以外の塗装パターンも改められており、従来車とはイメージチェンジが図られている。前面は普通鋼製となっており、ブラックフェイスを採用した結果精悍な前面となった。また阪神の車両としては初めて種別表示器にフルカラーLED、行き先表示器に白色LEDを採用している。制御方式は9300系と同じくIGBT-VVVFインバーター制御方式となっているが、編成のMT比が1:1と9300系よりも減少していることもあり、主電動機の出力は増強している。また、本系列は6両を組む基本編成の他に2両編成の増結編成も製造され、これらを連結しての走行も行うことから阪神では初なる電気連結器も採用された。車内はオールロングシートとなっており9000系や5500系に準じたものとなっているが、オフホワイトの化粧板にオリーブ色のモケットという従来の車両には見られないカラースキームとなった。また車椅子スペースが従来車に比べ増設され、各車に設置されるようになった。前述のとおり第1編成は2006年に落成していたが、入線時の誘導障害等の影響によりしばらくは営業運転に就くことができず、営業運転は落成から1年近く経過した2007年秋から開始された。当初は6連の基本編成は単独で阪神梅田〜山陽姫路間の直通特急、2連の付属編成は2本繋げた4両編成で西大阪線(現在のなんば線)尼崎〜西九条間を中心に使用されたが、2009年3月に西九条〜大阪難波間が開通すると全車同線系統の運用メインにシフトしており、新開地・三宮〜近鉄奈良間の主力車両として活躍するようになった。直通運用に就く場合、阪神本線内は有効長の関係から引き続き6連単独で使用されるが、西九条〜近鉄奈良間では時間により増結し、最長で10両編成を組んで使用されるようになった。尚、1000系は直通運転開始に伴う増備のみならず、老朽化した2000系の置き換え用にも増備されており、現在は6連13本、2連9本の計96両という陣容となっている。阪神なんば線〜近鉄奈良線の直通運用に就いていない編成は従来通り直通特急の運用に就くこともあり、結果として姫路〜奈良間の広範で目にすることのできる車両となっている。

 2013,03,11 鶴 橋


■Variation
 2連を組む付属編成。増結を前提としたことから阪神では初めて電気連結器が採用された。これにより基本編成と付属編成を組んで最長10連を組むことが可能となっている。また9000系とも増結が可能となっており、付属編成は実際に9000系と組むことも多い。尚、登場当初は2連を2本組んだ4両編成を組成し、西九条〜尼崎間の区間運用を中心に使用された。

 2008,03,13 大 物