3000A系
トップページ鉄道写真図鑑福岡市交通局>3000A系
 3000A系は七隈線の博多延伸に備えて2021年から翌年にかけて製造された車両である。形式のAは「Advanced」に由来しており、車両そのものは3000系のマイナーチェンジ車両という位置づけが強い。故に車体デザインは3000系に準拠している他、編成番号も3000系の続番となっている(が、こちらは前面下部と窓周りが水色一色に塗装されているのが外観上の最大の違いとなっている。この水色は澄んだ青空をイメージした他、博多延伸により空港線への乗り換えが従来よりも改善され、七隈線沿線から福岡空港へのアクセスが向上したという意味合いをもっている。走行機器類は3000系とほぼ同一で、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となっており、ATOによるワンマン自動運転に対応している。車内も概ね3000系に類似しているが、こちらは博多延伸をよりイメージしやすいインテリアとした。具体的には、博多織の「五色献上色」と言われる色を座席モケットや床色に採用し、妻面の木目模様を「櫛田の銀杏」をイメージした明るい色調とした点にあり、総じて3000系よりも明るい印象の車内となっている。内装面の大きな変更点としては、先頭車の座席は乗降空間を確保する観点から扉間5人掛けに減少された他、優先席の座席が既存の座席よりも座面を高くし、個別に袖仕切りを設けた「より立ち座りしやすいシート」に変更された点が挙げられる。この他つり革の形状(おにぎり型→三角形)とその向きが立ち客に利用しやすいよう改められている他、人の手が比較的触れやすいつり革、手すり、モケットには抗菌・抗ウイルス性の素材を用いて製作されている点は3000系とは異なる本形式独自の特徴といえる。車内案内表示器は扉鴨居部の表示器が全て液晶表示器となったため、妻部の液晶表示器は省略されており、代わりに妻部には福岡市営地下鉄の車両では初めて防犯カメラが設置された。また、ドア開閉ランプも本系列で初めて設置されている。3000A系は2022年2月にまず4連2本が営業運転を開始し、同年12月までに4連4編成が出揃った。この結果、七隈線は既存の3000系17編成と本系列4編成の陣容で2023年3月の博多延伸を迎えることとなった。

 2023,09,22 博 多


2023/10/09