トラ70000形
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 2009年に運行を開始した平成筑豊鉄道の門司港レトロ観光線で客車となっているのがこのトラ70000形である。元々は国鉄トラ70000形貨車であったが、1997年に島原鉄道に譲渡され、トロッコ列車の客車に改造された経緯を持つ。その際、トラ701・702号という車号に改番されている。このトロッコ列車は島原外港〜深江間の災害復旧を記念して島原〜深江間で運行を開始したもので、「島鉄ハッピートレイン」という愛称が付けられた。改造に際しては外板の交換の他屋根が取り付けられ、扇風機や椅子・テーブルといった旅客車両に対応しうる設備が整えられた。塗装は既存の外板部分が黄色を基調にイラストが描かれたものとなり、新設された桟及び屋根は赤く塗装された。この段階では乗降扉は設置されず、前後に連結された気動車より乗降する形となっていた。島原鉄道では10年以上に渡り火山災害復興の象徴として活躍していたが、2008年3月を以て運行区間が廃止となったことからお役御免となり、その後平成筑豊鉄道に譲渡されている。この譲渡に際しては更に大規模な改造が施され、外板が拡大されてそれまでは取り付けられていなかった窓ガラスが新たに取り付けられた他、和布刈方の左前部に自動開閉式の折り戸が設けられるなど、貨車改造のトロッコ客車ながらより鉄道車両に近づいた外観になった。塗装はDB10形同様、青基調のものに塗り替えられている。車内は島原鉄道時代からの小型ボックスシートとなっているが、扉開閉に際してはドアブザーが設置された他、天井部からは扇風機が撤去されたが、代わりに蛍光塗料でイラストが描かれ、トンネル走行時にイラストが現れるようになっている。機関車と同じくこちらも「潮風号」という愛称が付けられて装いを新たに2009年4月より門司港レトロ観光線での営業運転を開始した。以来同線にて活躍を続けている。

 2013,03,20 出光美術館