L形
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 2016年3月に開始されたえちぜん鉄道と福井鉄道の相互直通運転に際し、えちぜん鉄道側の車両として配備された超低床車両であり、「ki-bo」の愛称を持つ。車体・足回りとも完全新造の車両はえちぜん鉄道では初めてで、前身の京福電鉄時代を含めても、1949年のホデハ1001形以来実に56年ぶりである。ドイツはアドトランツ(ボンバルディア・トランスポーテーション)社のライセンスを元に新潟トランシスで製造されたLRVであり、この点は直通先の福井鉄道F1000形と共通しており、導入に際してのイニシャルコストやランニングコストの低減が図られている。車体の幅も同車とあわせられているが、F1000形が3車体連接構造を採用しているのに対しこちらは他の鉄道事業者でも見られる2車体連接構造となっており、乗車定員は100人となっている。車体はえちぜん鉄道のコーポレートカラーの一つである黄色に塗装されており、「かわいらしく親しみやすく」をコンセプトに前照灯・尾灯が一体化した灯具と前面窓下にあるカバーの配置により、「顔」にも見えるデザインとなっている。下回りはF1000形をはじめ、新潟トランシスで製造された超低床車のものとほぼ同一で、台車には独立車輪式のボルスタレス台車を採用、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となっている。車内はクロスシート中心のセミクロスシートとなっており、基本的なレイアウトはF1000形に準じるが、こちらはクロスシートの背ずり部分に黄色いモケットが採用されている他、頭上に荷棚が設けられている点が特徴である。ワンマン運転対応機器も搭載するが、F1000形と異なり半自動扉開閉機能は採用されずドア開閉用押しボタンは設置されていない。L形は2連2本が直通運転開始より1年早い2015年3月に落成しているが、これは元々の直通運転開始が2014年度末を予定していたことに起因し、しばらくは各種整備を経つつ福井口の車庫に留置されていた。2016年2月の報道公開の後2016年3月より営業運転を開始し、専ら越前武生〜田原町〜鷲塚針原間の直通運用に就いている。福井鉄道の車両とは運用が分けられており、福井口の車庫を出入庫する運用が組まれている(福井口〜鷲塚針原間回送)。

 2016,07,10 ベル前


2016/07/15