クハ100形
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 クハ101号車は、2015年に営業運転を開始するトロッコ列車「里山トロッコ」の4両の9m級客車のうちの1両で、同年中に北陸重工業で製造された。同車は編成の中で一番五井寄りに連結される車両で、「クハ」という形式がさす通り、客車ながら制御車となっている点が特徴である。前面は非貫通構造ながら3枚窓となっており、黒Hゴムで固定されている。また灯具配置は前照灯が窓上、尾灯(LED灯)が排障器部への設置となっており、既存車のキハ200形にやや近いイメージとなっている。また塗装はキハ200形と同じくバーミリオンとクリームのツートンカラーとなった。他の「里山トロッコ」の車両と同じく21世紀製の車両としては非常に珍しい2軸車両であり、台車構造も原始的なものを採用している。車内は木製のボックスシートが並ぶが、同車はユニット窓が取り付けられており、冷暖房装置も備える(両妻部に家庭用エアコンを設置、化粧板にあわせた塗装に加え小湊鐵道の社章が描かれている)。天井部分はUVカットガラスを用いた天窓が設けられており、開放感のある車内となっている。なお、車いすスペースはハフ101号車に設けられているため、本車にはそのスペースはない。五井方は半室構造の運転室が設けられており、上り列車運転の際はここから機関車を遠隔操作する。このため主幹制御器はDB4形と同一のものが採用されている。なお、前述のとおり運転台室としては半室だが、それ以外の最前部も乗務員スペースとなっており、通常時は客室部とはパイプで仕切られている。同車を始めとする客車はいずれも北陸重工業での落成後上総山田駅構内まで陸送され、そこで編成を組成の上で五井機関区に改装されている。2015年11月に営業運転を開始したが、DB4形の故障により同年の運転は2日間で終了し、翌2016年4月より本格運用についている。

 2016,05,14 里 見


2017/10/12