デキ3形
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 1922年にドイツはアルゲマイネ社で製造された凸型電機であり、宇部炭鉱で使用された後1941年に銚子へ移籍した。銚子電鉄唯一の電気機関車であり仲ノ町のヤマサ醤油への原料輸送の他に客車を牽引し旅客運用にも充当されたが、全長4.47m、自重10tという小型車体故に出力があまりなく、貨物輸送に関しては主に空車返送に用いられた模様である。その後700形の登場で客車は全廃、1984年には貨物輸送もなくなったことから活躍の場がなくなり、以後は仲ノ町車庫の「主」的存在としてその姿をとどめている。今に至るまで車籍は存置されており自走も可能となっているが、検査期限が切れている事と、2000年に発生した京福電鉄の事故以降車両運行に関する規制が強まった為に、現在は本線での走行はできない。しかし狭軌における電気機関車として最小であり、また現存する数少ない輸入電機であることからその価値は高く、現在も銚子電鉄のマスコット的存在となっている。尚、長い間集電装置はビューゲルとなっていたが、現在はポール集電に改められている。

 2013,08,03 仲ノ町車庫


■Variation
 ビューゲル集電・黒一色塗装時代のデキ3。1980年から2009年まではこの姿となっていた。

 2005,04,08 仲ノ町車庫★
 ツートンカラー・ビューゲル集電時代のデキ3。現役で貨物列車を牽引していた末期は、当時の旅客車両に合わせた塗装がなされていた。2012年に製造90周年を記念して集電装置がポール集電に改められた後、2013年になって再度黒一色に塗り替えられている。

 2010,01,01 仲ノ町車庫
 千葉県立現代産業科学館の平成28年度の特別展示「出発進行〜もっと・ずっと・ちばの鉄道〜」に際し、目玉として展示されたデキ3。展示に際してはグレー一色に塗装されているが、これはかつてカラーフィルムのなかった時代に竣工写真を撮影する際に見栄えをよくするために同色で塗装された機関車を再現したものである。なお、制輪子は取り外されている。銚子電鉄に移籍してから実に75年経過しているが、銚子の地を離れるという事例はこれが初めてになると思われる。

 2016,11,19 千葉県立現代産業科学館
2016/11/20