DC25形
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 元は1959年に協三工業で製造された羽後交通のDC2である。全長7m級のL字型液体式ディーゼル機関車であり、出力250PSのディーゼルエンジンを1基搭載し、動力の伝達ははロッドを用いて行われた。当初は羽後交通の横荘線(横手〜二井山間、元々は先の老方までの路線を有し、かつ現在の由利高原鉄道と接続する計画があった)で用いられ、1971年の路線廃止後は雄勝線(この時点では湯沢〜西馬音内間、1971年に動力内燃化)に転じたものの、雄勝線も1973年に廃止となり、遊休車両となったところを南部縦貫鉄道に譲渡されている。譲渡に際しては、塗装変更(羽後交通時代は朱色地に黄帯であったが、南部縦貫鉄道では青地に黄帯となっている)や工具箱の大型化、開業当初からの貨物牽引機であるD45形の予備機的扱いが強く、D45形の検査時等に貨物列車牽引に充当された他、1970年代後半には機器不調により客車然となったキハ103を牽引して旅客列車に充当されることもあった。なお、羽後交通時代は冬季にボンネットと反対側の前面に大型のフランジャーを取り付け除雪を担っていたが、南部縦貫鉄道には既にDB11形が除雪用で在籍していたため、除雪用途には用いられていない。1984年の貨物輸送廃止後はD45形共々遊休状態となり、1997年の路線休止まで殆ど七戸駅構内に留置されていた。運用を離れて久しいが、現在も整備された後可動状態で旧七戸駅の車庫に保存されており、イベント時等に自走することもある。

 2014,05,03 七 戸


2021/02/14