DB11形
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 1962年6月、南部縦貫鉄道の開業に先立つ形で富士重工業で製造されたモーターカーである。TMC100BSと称されるモーターカーの一車両で、当初より除雪を考慮しラッセル装置が備え付けられているのが特徴であり、本車も前位側に大型のスノープラウを備える。このスノープラウは空気圧で動作するフランジャーと拡幅翼も付属し、除雪時には全て展開させた。スノープラウは取り外しが可能で通常のモーターカーと同様に取り扱うこともできた他、油圧式の転車装置を備えており、人力で容易に方向転換を行うことが可能であった。導入当初は車籍のないモーターカー扱いであり、線路敷設にも用いられる等開業前から使用されていた。通常このタイプのモーターカーは機械扱いのまま推移することが多いが、南部縦貫鉄道では1964年に車籍を取得し、以降はDB11という車両番号がつけられた。前述のとおり大型のラッセルヘッドが取り外し可能であったこともあり、夏季は入換、冬季は除雪を中心に用いられた。3両存在した南部縦貫鉄道のディーゼル機関車の中では貨物輸送廃止後も唯一稼働し、とりわけ冬季の除雪では重宝されていた。2002年の路線廃止後も可動状態で旧七戸駅構内に保存されており、イベント時等に自走を披露することもある。

 2014,05,03 七 戸


■Variation
 スノープラウのついていない反対側。荷物台が設けられているが、TMC100BSの中でも比較的初期に製造された部類の車両であるため、荷台側に屋根が取り付けられていない。

 2014,05,03 七 戸
2021/02/14