N3000形
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 2011年登場。鶴舞線の第1期線開通以来長きにわたり活躍を続けた3000形も、製造から30年以上が経ち老朽化が進んだため新製車両により置き換えることとなり、この目的で製造された車両がN3000形である。鶴舞線では1993年の3050形以来となる新形式車両となった。本系列は第1編成とそれ以外で大幅に車体が異なっている点が特徴である。第1編成は日立製作所で製造され、同社の手掛けるアルミ製車体「A-Train」が採用された。アルミ車体故平滑な車体であり、以降の編成に比べやや丸みのある車体となっている。第2編成以降は日本車輌製となり、ブロック工法を用いた軽量ステンレス製車体で製造されている。デザインは第1編成をベースとしているが、排障器も含めて直線基調となり、第1編成と異なり扉付近に継ぎ目がある点が特徴である(これはブロック工法で製造された車両の特徴でもある)。いずれも集電装置にシングルアームパンタグラフを採用し、行き先表示器にフルカラーLEDを採用しているが、フルカラーLEDは名古屋市交通局では初の採用となった。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、制御装置はいずれも東洋電機製、SIVは三菱電機製で統一されている。主幹制御器は鶴舞線の車両としては初めて右手操作式のワンハンドルマスコンハンドルが採用され、台車は3050形から引き続いでボルスタレス台車が採用された。先に製造され、同じ日進工場で検査を受ける桜通線用の6050形と基本的な仕様は共通であり、仕様をあわせることで、車両保全の低減が図られている。車内は片持ち式のロングシートであり、座席モケットは通常座席が青系、優先座席がオレンジ系となっている。床敷物、妻面、座席モケットにはいずれも名古屋の伝統的な織物である「有松絞り」を今様にアレンジした柄が用いられている。車内案内表示器は17インチサイズの液晶表示器となり、扉鴨居部に1基が千鳥配置されている。なお、第1編成とそれ以外では袖仕切りやスタンションポールの形状が異なる他、製造工法による差異もある。N3000形は2012年3月より営業運転を開始した。日本車輌製の車両は2012年以降順次製造されており、最終的には2023年までに6連16本が製造され、全ての3000形を置き換える。なお、2016年製の車両から車内照明がLED化、2020年製の車両から運番表示器のLED化(既存車両はマグサインを採用)、前照灯をLED化(既存車両はHID)、転落防止用幌の変更などのマイナーチェンジがなされている。

 2019,11,23 上小田井


■Variation
 最初に製造された第1編成。この編成のみ日立製作所で製造されており、鶴舞線(及び直通先の名古屋鉄道)では唯一「A-Train」を採用している車両である。

 2015,04,25 上小田井
2023/02/19